「ハープシコードとチェンバロって違うの?」「ピアノとも違うの?」といった、ハープシコードの疑問を解決する記事を書いていきます。
ハープシコードとチェンバロの違いは?
ハープシコードとチェンバロは、実は同じ楽器を指す言葉ですが、言語や地域によって呼び方が異なります。
- ハープシコード:この言葉は主に英語圏で使用されます。英語では “harpsichord” と表記されます。
- チェンバロ:これは主にイタリア語やその他のヨーロッパの言語で使われる名称です。イタリア語では “cembalo” と表記されます。
この楽器は、鍵盤を押すと内部の弦が弾かれることで音が出る仕組みを持っています。バロック音楽で特に重要な役割を果たし、クラヴィコードやピアノフォルテと並んで、鍵盤楽器の一つとして知られています。ハープシコードとチェンバロは、楽器の構造や演奏方法において違いはありません。
ハープシコードとピアノの違いは?
ハープシコードとピアノは両方とも鍵盤楽器ですが、音を出すメカニズムや音色、演奏の特性に大きな違いがあります。
- 音を出すメカニズム:
- ハープシコード: 鍵盤を押すと、弦を弾く(弾き)機構が働きます。このため、弾かれる弦の音量を変えることは基本的にできません。
- ピアノ: 鍵盤を押すと、ハンマーが弦を叩きます。強く鍵盤を押すほど、ハンマーが弦を強く叩き、音量が大きくなります。このダイナミックレンジの広さがピアノの特徴です。
- 音色:
- ハープシコード: 音色は比較的軽やかで、金属的な響きがあります。バロック音楽に特有の透明感と装飾的な音色が特徴です。
- ピアノ: 音色は豊かで、深みがあります。柔らかいピアニッシモから力強いフォルテまで、幅広い表現が可能です。
- 演奏の特性:
- ハープシコード: 音量のコントロールができないため、表現の幅は限られています。装飾音や速いパッセージを得意とします。
- ピアノ: 音量や音色のコントロールが可能で、非常に表現豊かな演奏ができます。クラシックからジャズ、現代音楽まで幅広いジャンルに対応しています。
これらの違いにより、ハープシコードはバロック音楽の演奏に適しており、ピアノはより広範な時代とスタイルの音楽に適しています。
ハープシコードの値段は?中古価格は?
ハープシコードの新品価格は、モデルや製造元によって異なりますが、以下のような価格帯が見られます:
中古価格に関しては、市場によって大きく異なりますが、一部の情報源によると、安価なモデルでは70万円台から見つかることもあるようです。また、オークションサイトなどでの落札価格は平均7,644円となっていますが、これは状態やモデルによって大きく変動する可能性があります。Yahoo!オークションの落札相場
新品と中古の価格には大きな差があるため、購入を検討する際は、予算や使用目的に応じて適切な選択をすることが重要です。
ハープシコードの協奏曲、名曲について
特に注目すべきはヨハン・セバスティアン・バッハの作品群です。バッハはバロック音楽の巨匠であり、ハープシコードのための多くの卓越した作品を残しています。
バッハのハープシコード協奏曲
バッハはハープシコードのための協奏曲をいくつか作曲しており、これらはハープシコード音楽の中でも特に重要な位置を占めています。これらの協奏曲は、ハープシコードがソロ楽器として扱われ、オーケストラと対話する形で進行します。特に有名なのは、BWV 1052からBWV 1058までの7曲の協奏曲です。
バッハの「組曲第2集」
「組曲第2集」という言葉に関連して、バッハのハープシコード作品で特に有名なのは、「イングリッシュ・スイート」や「フランス組曲」が挙げられます。これらの組曲は、ダンス形式の一連の楽章から成り立っており、バッハの鍵盤楽器のための作品の中でも特に人気があります。
- イングリッシュ・スイート(英国組曲): これらの組曲は、より技巧的で複雑な構造を持ち、豊かな装飾音が特徴です。
- フランス組曲: これらはより簡潔で親しみやすいスタイルを持ち、バッハのダンス音楽の魅力を存分に味わうことができます。
これらの組曲はハープシコード奏者にとって重要なレパートリーであり、バッハの音楽の深さと多様性を示しています。バッハのハープシコード作品は、バロック音楽の精華を集めたものであり、今日でも多くの演奏家や聴衆に愛されています。
ハープシコードのまとめ
ハープシコードはチェンバロと同じもの。ピアノとは同じ鍵盤楽器ですが、音を出すメカニズムや音色、演奏の特性に大きな違いがあります。そしてハープシコードの名曲は、バッハの「イングリッシュ・スイート」や「フランス組曲」が有名です。
以上、ハープシコードについての記事でした。ここまで読んで頂き、ありがとうございました!